マル暴の年収はいくら?知られざる「公安職」の給与と手当

マル暴だから給料が特別に高いわけではない

「マル暴は危険な仕事だから年収もかなり高いのではないか」と考える人は多い。

しかし、実際にはマル暴という部署に所属しているだけで年収が大幅に跳ね上がる仕組みではない。

都道府県警察の警察官は地方公務員であり、給与は各都道府県の条例や給与表によって決まる。警察庁も、警察官の給与について「勤務年数・成績や昇任」によって昇給し、都道府県ごとに違いがあると説明している。さらに、通常の給与に加えて、業務内容に応じた特殊勤務手当などが支給される。

つまり、マル暴の年収を見る場合は、

基本給+地域手当+時間外勤務手当+特殊勤務関係の手当+賞与など

という構造で考える必要がある。

年収は「階級」で大きく変わる

マル暴の年収を考えるうえで重要なのが階級だ。

同じ捜査部門にいても、巡査、巡査部長、警部補、警部では給与水準が違う。

警察官は一定の勤務経験を積むと昇任試験を受けられる。警察庁の採用情報では、大卒者は概ね2年、大卒以外は概ね4年で最初の昇任試験を受けられる制度が紹介されている。合格すれば巡査部長、その後は警部補、警部などへ昇任する道がある。

そのため、「マル暴の平均年収はいくら」と一つの数字だけで説明するのは難しい。

若手の捜査員と、長年マル暴を経験した警部補・警部クラスでは、当然ながら年収にかなり差が出る。

マル暴の年収を左右する「手当」

マル暴の給与を考えるとき、基本給だけを見るのは適切ではない。

警察官には、地域手当、扶養手当、住居手当、通勤手当などの一般的な手当に加えて、職務内容に応じた特殊勤務手当がある。

警察庁も、警察官には業務内容に応じて特殊勤務手当が支給されるとしている。

さらに、時間外勤務をすれば超過勤務手当が発生する。

マル暴は事件の発生時間や捜査の進展によって勤務時間が左右されやすい部署なので、単純に「月給×12カ月」で年収を考えることはできない。

ここが一般企業の営業職などとは違うところだ。

「マル暴だから年収1000万円」は現実的なのか

インターネットでは、マル暴の年収についてかなり高額な数字が語られることがある。

しかし、マル暴に配属されたからといって、20代や30代の警察官が自動的に年収1000万円になるような給与制度ではない。

年収1000万円に近づくかどうかは、階級、勤続年数、勤務地、扶養状況、時間外勤務、賞与など複数の要素によって変わる。

特に重要なのは「マル暴手当があるから高収入」という単純な構造ではないことだ。

むしろ警察官全体の給与体系の中で、勤務条件や担当業務に応じた手当が加わると考えたほうが実態に近い。

マル暴は「高収入部署」というより特殊な勤務環境

マル暴の給与について個人的に興味深いのは、危険性と年収が必ずしも比例しない点だ。

一般的には「危険な部署ほど給料が高い」と考えがちだが、公務員の給与は民間企業のように「危険だから基本給を2倍にする」という仕組みではない。

警察官の給与体系そのものが公安職として設計され、さらに勤務実態に応じた各種手当が加わる。

したがって、マル暴の仕事を経験している人から見れば、「マル暴だから金がいい」というより、責任や勤務負担に応じて給与体系の中で手当が付く仕事と考えるほうが実態に近い。

ではマル暴の年収はどのくらいを目安にすればいい?

具体的な金額は警察本部によって異なるため断定できないが、考え方としては「警察官としての年齢・階級に応じた年収」がベースになる。

例えば20代の若手捜査員なら、まだ昇任前であるケースも多い。

一方、30代以降で巡査部長や警部補になれば、基本給そのものが上がっていく。

さらに40代以降で警部などの管理職層になれば、若手時代とは給与水準が大きく変わる。

つまり、「マル暴の年収」というより「警察官としてどの階級にいて、どの程度の勤続年数があるか」を見るほうが正確だ。

年収以上に見るべきなのが勤務実態

マル暴を志望する場合、年収だけで仕事を判断すると実態を見誤りやすい。

暴力団対策を担当する捜査員は、事件捜査だけでなく、関係者への聴取、情報収集、内偵、証拠の積み上げ、関係部署との調整など、地道な業務を大量にこなす。

外から見ると「強面の刑事」というイメージが先行するが、実際の捜査では記録作成や情報の裏付けなど、非常に細かい作業も重要になる。

給与についても同じで、派手な「危険手当」だけで年収が決まるわけではない。

階級、勤続年数、勤務地、勤務実績、各種手当、賞与。これらを合計したものがマル暴捜査員の年収になる。

そのため、マル暴の年収を知りたいなら、「平均○万円」と単純化するよりも、警察官全体の給与制度と昇任制度を合わせて見るのが最も現実的だ。